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必須ミネラル亜鉛に関する米国国立衛生研究所(NIH)の指針 前編

1. 亜鉛に対する米国のスタンスはより明確で強いメッセージ性がある

1. 亜鉛に対する米国のスタンスはより明確で強いメッセージ性がある

医療先進国である米国国立衛生研究所(NIH)の亜鉛ミネラルに関する医療専門家向けページですが、序章から説明が完結です。今回は、抜粋部分を載せている関係で少し、長文となっていますが最後までお付き合いください。以下、「」内が序章部分の翻訳抜粋です。

「亜鉛は、一部の食品に自然に存在し、他の食品に添加され、栄養補助食品として利用できる必須ミネラルです。亜鉛は、多くの風邪のトローチや風邪薬として販売されている市販薬にも含まれています。亜鉛は細胞代謝の多くの側面に関与しています。これは約100酵素の触媒活性のために必要とされ、それは又、免疫機能においての役割とタンパク質合成、創傷治癒、DNA合成および細胞分裂等の働きにも亜鉛は必要とされています。亜鉛はまた、妊娠中、小児期、青年期の正常な成長と発達をサポートし、適切な味覚と嗅覚に必要です。身体には特殊な亜鉛貯蔵システムがないため、定常状態を維持するために毎日の亜鉛摂取が必要なのです。」
一部自動翻訳のため、表現としては少しぎこちないですが、注目したいのは、国の機関が「サプリとしても利用できる・・・」と表現している点です。日本では国の機関によるここまでの直接表現はまずあり得ないですね。そして、「亜鉛貯蔵システムを人体はもっていないので、毎日摂取する必要があると・・・」強調している点です。日本の健康増進法や日本人の食事摂取基準などの現行記載表現も、より明確で強いメッセージを示しても良いのでないかと感じています。

2. 米国人の亜鉛の摂取量と状態

2. 米国人の亜鉛の摂取量と状態

米国では特に食物不足の高齢者が亜鉛不足の状態にあるようです。
以下「」内が該当部分抜粋です。

「米国のほとんどの乳児、子供、および成人は、1988〜1991年の国民健康栄養調査(NHANES III)と
1994年の2つの全国調査によると、*推奨量の亜鉛を消費しています。*米国亜鉛推奨量 成人男性11mg/日 成人女性8mg/日(編集者加筆)

しかし、いくつかの証拠は、高齢者の亜鉛摂取量がわずかである可能性があることを示唆しています。NHANES IIIデータの分析では、60歳以上の成人の35%〜45%が、亜鉛摂取量が推定平均必要量である高齢女性で6.8 mg /日、高齢男性で9.4 mg /日を下回っていたことがわかりました。研究者が食品と栄養補助食品の両方からの摂取量を検討したとき、彼らは高齢者の20%〜25%がまだ不十分な亜鉛摂取量を持っていることを発見しました。
亜鉛の摂取量は、米国の世帯の2%〜4%の高齢者でも、食物が不足している(時にはまたはしばしば十分な食物がない)場合は少ない可能性があります。NHANES IIIのデータによると、60歳以上の食物不足の家族の成人は、亜鉛と他のいくつかの栄養素の摂取量が少なく、食物が十分な家族の亜鉛摂取量よりも、特定の日にRDA(推奨摂取量)の50%未満の亜鉛摂取量である可能性が高いことが示されています。」

ここからは想像です。日本では全世代で亜鉛不足傾向を示しているのに対し、米国はなぜ高齢者の2~4%が亜鉛不足なのか。また食物不足の家族という表現は格差社会の米国らしい点です。結論からお話すると、日本では、加工食品摂取増加、自然由来食物摂取の減少という食生活の環境変化の中でサプリ等の食事以外から亜鉛を摂取する人の割合が米国より未だ未だ少ないこと。
一方、米国で60歳以下の一定以上の収入や資産がある層は、食事の栄養バランスがきちんと取れており、サプリメントも発達しているので亜鉛不足となる人は少ない。ただ、食事が不足している2~4%の高齢者というのは、生活困窮者であると推察されるため、この役所の母体が「保健福祉省」である点を勘案すると福祉の観点から生活困窮者の栄養不足をどうしても触れざるを得なかったのではないのか・・・と思われますね。

3. 亜鉛不足のリスクがあるグループとは

3. 亜鉛不足のリスクがあるグループとは

亜鉛不足のリスクがあるグーループというカテゴリーは、日本ではあまり取り上げらていない考え方です。いや、日本が遅れているのかもしれませんね。日本でも国がこういう視点から積極的に注意喚起することは、国民の健康増進にプラスではないかと思うのですが・・・・。
以下「」内が該当部分抜粋です。

「米国人の多くは、食品から十分な亜鉛を摂っています。
しかし、下記の特定集団では他と比べて充分に亜鉛を摂取できていない可能性があります。

〇減量手術などの消化管手術を受けた人、または潰瘍性大腸炎、クローン病などの消化器疾患を有する人
これらの状態にある場合、体が吸収する亜鉛の量が減少し、尿中に失われる量が増加します。

〇菜食主義者
菜食主義者は、亜鉛を豊富に含む肉を食べません。
また、菜食主義者が一般に食べる豆類や穀類には、亜鉛が十分に吸収されるのを妨げる化合物が含まれていますこのため、
菜食主義者は推奨量より50%ほど多くの亜鉛を摂取する必要があるかもしれません。

〇授乳を受けている、月齢の高い乳児
母乳には、生後6カ月以降の乳児に必要な十分量の亜鉛が含まれていません。
調製乳を摂取していない月齢の髙い乳児には、ピューレにした肉など亜鉛を含む食品を摂取させるべきです。
人工栄養児は、乳児用調製乳から十分な亜鉛を摂取します。

〇アルコール依存者
アルコール飲料は、体が吸収する亜鉛の量を減少し、尿中に排泄される量を増加します。
また、アルコール依存者が食べる食品の量や種類は、多くの場合限られているので、十分な量の亜鉛を摂取していない可能性があります。

〇鎌状赤血球症
これらの人には、より多くの亜鉛が必要だと考えられます。」


今回はここまでです。次回NIHの亜鉛 後編をご案内する予定です。

米国国立衛生研究所 健康専門家向け亜鉛のfact sheet